今回は豊田市で『介護のつばさ』として介護事業を展開する「有限会社ウイング」代表取締役社長 青山 嘉子 様と、グループホームつばさ吉原の施設長 北村 昌枝 様にお話を伺いました。地域に根差し、8拠点で5つの介護サービスを提供している有限会社ウイング。会社として、そしてひとりの職員として介護にかける熱い想いを語っていただきました。
会社の理念・社長として大切にしていることを教えてください
会社の理念として「いきいき、わくわく」を大切にしています。この理念は会社としてサービスを提供する利用者さんのほとんどが高齢者であるため、サービスを提供・利用する上でスタッフも利用者さんも1日を大切に「いきいき」と生活し、明日を夢見て「わくわく」楽しみに思えるようなサービスを提供したいという意味が込められています。
私自身の考えはスタッフが笑顔でいきいきと仕事をしていないと、利用者さんを笑顔にすることはできないと考えています。そのため私はスタッフがいかに働きやすく仕事にやりがいを持てるかを考え職場を整え、「つばさで働けて良かった」とスタッフに思われるような会社作りを目指しています。社長として心掛けていることは経営方針としてトップダウンのスタイルにはならないように心掛けています。
私はこの会社の3代目の社長ですが、現場のスタッフが意見を言いやすい環境を作ることも社長として大切だと感じています。私の理想は現場で働いているスタッフが業務をする上で改善が必要だと感じた際に職場の皆で話し合い、改善案を出し合い課題を解決できる環境が良いと思っています。
会社の特徴や強みを教えてください
現在有限会社ウイングでは、デイサービスや定期巡回、グループホーム、介護付有料老人ホーム等のサービスを展開しています。もし仮に介護認定を受けたばかりの方がいた場合に、すぐに施設に入ることはあまり多くないため介護サービスのスタートとしては日常生活を支えるデイサービスや訪問サービスから利用する方がほとんどです。
その後介護度が上がり施設に入所する流れになるのですが、この流れを弊社で展開しているサービスで完結できることが強みだと思っています。また、利用者さんだけでなく働いているスタッフも一つの法人で通所や訪問サービス、施設など様々な形態の介護サービスを経験できることも強みです。以前には当施設に入居していた方のご主人が当法人を気に入ってくださり、ご主人本人が介護認定を受けた際に同じようにつばさに入居されたこともありました。
認知症ケアをする上で大切にしている事を教えてください
利用者さん一人一人の個を尊重し、「ここが居場所」と思えるような空間づくりを大切にしています。グループホームの配置基準はスタッフが1日24時間の内、常勤の介護スタッフが1人居る事とされているため、8時間勤務で3人の配置で法的には問題ありません。
しかし、ギリギリの人数配置ではきちんとスタッフが利用者さんと向き合える時間が疎かになってしまうと考えているため、基本的に常勤スタッフは4人配置しています。プラス一人の人員配置をすることで利用者さんに接する対応や接遇をきちんと行うことが出来るようになり、利用者さんは穏やかな日常生活を送れるようになっています。
きちんとしたケアを行うことで少しでも認知症の進行を緩やかにしていくことが大切だと感じています。
認知症の方の生活支援の工夫を教えてください
一番大切にしている事は入居者さん個人のルールを尊重することです。ご家庭で認知症の方を介護されていると、どうしてもその行動を制限してしまいがちになります。そうすると、ご本人は、「家で何もすることがなく、何をしたら良いかわからない。」状態になり、ご本人の望む生活を送ることが難しくなることもあります。ですが、スタッフに見守られながらその方が大切にしてこられた事や、出来る事、やりたい事をして頂く事で認知症の進行が緩やかになり、その方らしい生活を営んで頂くことが出来ます。
グループホームでは、出来る事を出来る人がする共同生活の場ですので、実際にキッチンでお料理をする方と盛付けをする方がいたり、掃除や針仕事をしたりする事で、いきいきとした表情が見られます。認知症という病気は勘違いされやすいですが、以前まで出来ていたことが出来なくなることもあります。
しかし、すべてのことが出来なくなるわけではないため、その方の残っている能力を判断し出来る事は行ってもらうことが重要です。
認知症の方が安心できる環境づくりの工夫を教えてください
施設内の照明は明る過ぎない暖色系の暖かい穏やかな雰囲気にしています。また多くのグループホームは玄関に鍵を掛けている事が多いですが、グループホームつばさでは鍵を掛けずに開放的にしています。鍵を掛けない理由としては入居したばかりの方は帰宅願望が強く、外に出ようとした際に鍵がかかっていると「閉じ込められた」と感じてしまいます。
閉じ込められたと思うことは心情的に負の感情になるため、つばさでは鍵を掛けずに利用者さんが外に出ようとした際はスタッフが付き添い一緒に外出するようにしています。また、グループホームの建物の構造を居室の扉を開けた際に廊下に出るのではなく、リビングに繋がるように建てています。扉を開けた際に誰か人がいる空間に繋がっていたほうが安心できると考えているため、この構造にしています。
レクリエーションやリハビリの具体例を教えてください
つばさの行っているレクリエーションの中では、うちわと風船を用いた風船バレーが一番盛り上がります。風船バレーを行っている時間は、普段は「肩が痛くて上がらない」と言っているような利用者さんも腕を振って楽しそうに身体を動かしています。風船バレー以外にもトイレットペーパーの芯を用いたジェンガのようなバランスゲームも好評です。生活リハビリとして日常的な家事もお手伝いしてもらっています。
認知症の進行状況に応じた対応の違いを教えてください
認知症が進行していくと会話の文節が段々と短くなっていきます。例えば、「今からご飯を食べるのであちらの洗面台で石鹸を使って手を洗いましょう」と会話をしたい場合、認知症の方への声掛けは「あちらの洗面台に行きましょう」「手を洗いましょう」「石鹸を使いましょう」「ご飯を食べましょう」と話を分けるようにします。
話をする際も認知症の方は対面で話すと固まってしまうことがあります。そのため基本的には利用者さんとは対面ではなく横向きで話をしています。
つばさで働くスタッフが大切にしていることを教えてください
つばさで働く上でスタッフに大切にしてもらっている事は、まずは利用者さんを「尊敬」することです。そのうえで愛情を持って接してもらうようにしています。また、働く上でスタッフ間の情報共有を行うことがとても大切だと考えているため、チームワークを大切にしています。スタッフも利用者さんの方と24時間365日一緒にいるわけではないため、スタッフが働いていない時間に何が起きていたかを把握する事は大切です。
一緒に働く上で日勤のスタッフと夜勤のスタッフ間での情報共有は、お互いの業務の負担を軽くするために必ず行っています。
入居者のご家族さんとの関わり方を教えてください
ご家族さまはご自身の家族を預ける施設になるので、信頼関係を築くことが大切だと考えています。信頼関係を築く上で施設の雰囲気や働いているスタッフの身だしなみも大切ですが、それと同じくらいにご家族さまとの会話を大切にしています。ご家族さまが来所した際に面会時間だけでは伝わらないこともあると思います。そのためご家族さまには普段の生活の様子やどんな表情で過ごしているか等の日常的な情報を必ず伝え、つばさに預けてよかったと思ってもらえるように努めています。
認知症ケアを通じて感じるやりがいや感動したエピソードを教えてください
以前入居していた方で脳梗塞を起こし右半身が麻痺してしまった人がいました。その方は認知症も併発していたため、自身が脳梗塞を起こし右半身が麻痺していることも忘れ必死に右手でスプーンを使い食事を摂ろうとしていましたが、なかなか上手に食事をすることが出来ませんでした。しかし一生懸命に右手を使い食事をしていたため、それがリハビリになり現在では右手で箸を使い食事を摂れるようになりました。
もし健常な高齢者の方が脳梗塞を起こして右半身が麻痺を起こしてしまった場合、年齢もあり右半身を使う事を諦めてしまうこともあると思います。この方は認知症のおかげでという表現が適切かわかりませんが、自分が脳梗塞を起こし右手が麻痺している事を忘れ「自分は右手を使えるんだ」と思い込んでいたおかげで、機能が回復したんだと思います。
この経験から思い込みの力が大切だと感じたため、利用者さんには今現在出来ていることはできる限り長く続けてもらえるようなケアを大切にしています。
仕事をする上で大切にしている事は「コミュニケーション能力」だと思っています。仕事をする上で利用者さんやスタッフに対して、相手のことを理解しその上で何をしてほしいのか、何を伝えたいのかを理解し察知できる能力を備えている人は素晴らしいと思います。また介護の現場では働くスタッフの多くが女性であるため、親の介護や子育てで休暇を取ることがあると思うので「お互い様のこころ」も大切にしてほしいです。
スタッフ同士がお互いに働きやすい環境を一緒に作り上げていくことが大切だと考えています。利用者さんと接する際は「尊敬と礼節」を重んじて働いてもらうようにもしています。長期間利用者さんと接しているとどうしても関係性が深くなっていくため、接し方等が崩れてしまいやすいと思いますが、そこはきちんと節度を持つようにと伝えています。
最近ではこの考え方に共感してくれるスタッフが増えてきていると実感しています。
3つ目の項目でもお話した余裕を持った人員配置だと思います。以前面接した方の中にはグループホームに勤務していたのですが、その方は日常の業務を事務的な作業に追われ利用者さんと接する時間がほとんど取れないことに仕事に対するやりがいを失っていました。有限会社ウイングではプラス1人の配置を基本としているため、スタッフは利用者さんと接する時間もきちんと取ることが出来るところが魅力だと思います。
加えて、スタッフのライフステージやライフスタイルに合わせた勤務形態を臨機応変に対応できることも強みです。育児や介護でフルタイムで働けなくなった方には時短勤務やパートタイムの提案を行ったり、逆に育児や介護が落ち着いてきたタイミングで再度正社員の提案を行ったりすることで、常に働きやすい環境を整えるようにしています。
ウイングで働いているスタッフからは「仕事が楽しいです!」「今一緒に働いているスタッフが今までで一番良いと感じています!」といった意見をたくさん聞きます。また、時間に縛られたケアを行わなくて良い事も働きやすいと言われる理由の一つだと思います。多くの介護施設では〇〇時に食事を摂って○○時までには寝ないといけない等の時間的な制約がついていることがありますが、つばさではある程度利用者さんのライフスタイルに合わせたケアを行うようにしています。
例えば、本来は就寝する時間に「テレビを見たい」と言われる方もいます。そういった場合「皆さんが寝る時間なのでテレビを見るのはダメです。」ではなく「皆さんは寝る時間なのでもし見るなら〇〇時までで音を小さくして見ましょう。」というような声掛けを行っています。このような利用者さんに寄り添った介護を出来る事が働いているスタッフの仕事に対するやりがいが出てくる理由ではないかと思います。
介護の仕事は業界の外から見た時に「ただ高齢者をお世話する仕事」と見られてしまうかもしれないですが、実際にはそうではなく、大変奥の深いお仕事だと感じています。「その方らしい」とは何かを追求し、尊厳を保ちながら出来ないところのサポートをする事で、自立した生活を支えます。介護の仕事には根拠がありきちんとしたサポートが行えると結果も伴って現れてきます。
有限会社ウイングでは自己成長もでき、社会貢献にもつながる有意義な職場を整えていきます。自身の仕事に対するやりがいと人をお世話する事が好きな方には最適な職場だと思うので、興味のある方はぜひご連絡ください。